「焼肉」馬刺・馬焼肉 らむ
熊本名物の馬肉といえば、「馬刺し」のイメージが浮かぶかもしれません。
けれども、馬肉を食べることが食習慣として根付いている熊本では、刺身のみならず、さまざまな食べかたが考案されていることをご存じでしょうか?
ポモドーロでは、観光で熊本を訪れた方向けに、4つの楽しみかたをご紹介します。
まずは、焼肉から。
火を入れるとたちのぼる香ばしい脂の香り、
コクとうまみが凝縮されていながらもあっさりとした後味。
焼肉で食べることの醍醐味は、
なんといっても「脂のうまさ」です。
そんな“馬肉を焼肉で食す”というスタイルの元祖といわれる、
「馬刺・馬焼肉 らむ」を訪れました。
香り、甘み、
うまみの三重奏!
3種の部位と
秘伝のタレ。
脂の甘みが口いっぱいに広がり赤身のうまみが後を引く「くらした(肩ロース)」。噛み締めるたびに脂の香りが鼻孔をくすぐる「バラひも(カルビ)」。そして「ヒレ」は他の部位よりも格段に柔らかく、脂も少ないため、馬肉本来の味を楽しむことができます。「らむ」が焼肉で提供する馬肉は、いずれも1頭の馬からわずかしか取れない希少部位です。さらに特徴的なのは、焼く前と後に肉につける塩ダレで、馬肉の香りや風味を邪魔することなくアクセントを加えます。
「つくるのに4日もかかるんですよ。このタレが店の命ですね」
店を仕切る3代目店主の小山千尋さん(25歳)が語る自慢のタレは、さまざまな食材の出汁をベースにつくられており、昭和34年の創業時からレシピを変えずに受け継いできたものだといいます。
一方、焼肉のメニューは1年ほど前まで「くらした」「バラひも」の2種類のみで、「ヒレ」は提供していませんでした。60年以上変わらなかったラインナップに新たな部位を加えたのが、千尋さんです。
高校生の頃から店を手伝うようになり、父で2代目の宏徳さん(65歳)の背中を見て育った千尋さん。大学卒業を機に尊敬する父と同じ道に進むことを決め、本格的に「らむ」で働き始めました。しかし、当時はコロナ禍に加え、馬肉の供給量が減少し価格が高騰。仕入れを大幅に見直さざるを得ない状況でした。これまでに経験したことのない逆風のなか、千尋さんの発案で「ヒレ」をメニューに加えました。
店を切り盛りする
小山千尋さん。
25歳ながら「らむ」
勤務歴10年のベテランです。
「赤身の焼肉を食べたい人もいるのではと思っていました。それに、ヒレを頼むお客さんが増えれば他の部位の仕入れが少なくても、注文を分散することができるんじゃないかって思ったんです」
新たな客層の呼び込みにもつながり、千尋さんの目論見は見事に的中。今や「らむ」の焼肉は「くらした」「バラひも」「ヒレ」の3枚看板として定着しています。創業以来変わらずに受け継ぐものと時代に合わせて変えていくもの。若き旗振り役のもとでますます繁盛する「らむ」の焼肉を堪能してみてはいかがでしょうか?
タレは他の料理の調味料としても使われており、「らむ」の味の根幹です。
鉄板の隙間からほどよく脂が落ちるのでしつこさを感じることなく食べられます。
くらした(肩ロース)
1,540円(税込)
香り ★★☆
甘み ★★★
肉感 ★★☆
バラひも(カルビ)
1,540円(税込)
香り ★★★
甘み ★★★
肉感 ★☆☆
ヒレ
1,980円(税込)
香り ★★☆
甘み ★☆☆
肉感 ★★★
1日の営業は4時間、座席は34席ながら、
県外からも多くのファンが訪れるので
週末は予約が必須です!