チョコレートカクテル“ショコラキャラメル”はいちばんの人気メニュー。オリジナル生チョコペーストのコクと甘みがすっきりと楽しめます。ノンアルコールにも変更可能。
色とりどり、宝石のような手づくりチョコが並ぶ。
満月のような丸ガラスの扉。
その扉を開けると、バーには
似つかわしくない、
甘い匂いが立ち込めてきます。
そこには、カクテルとオリジナルチョコレートを
ゆったり楽しめる、
熊本の大人の夜が満ちています。
1軒目を出た後のデザート気分と、まだもう少し飲みたい気分。そのどちらもかなえてくれる“チョコレートバー”が、熊本市の新市街にあります。
看板メニューのチョコレートカクテルは、ゴールドラムがベース。程よいアルコール感のある軽く熟成したラムは、お酒が得意ではないけれどもちょっと飲みたい気分の方や、1軒目で飲みすぎてしまった方にも飲みやすくておすすめです。チョコレートカクテルの中でも特に人気の“ショコラキャラメル”は、手づくり生チョコペーストとこっくりとした生クリームをメインにブレンドしたフローズンカクテル。さっそくいただくと、コクのある甘さのなかにすっきりとしたビターな味わいが抜けていく、癖になるおいしさで、これはまた飲みに訪れたくなります。
チョコレートカクテルはすべて、バーテンダーの竹村栄司さんが試行錯誤してたどり着いた、完全オリジナルレシピです。竹村さんが「セプティグラス」を開いたのは17年前。バーが多い熊本で埋もれないようにと選んだのが、チョコレートでした。
チョコレートカクテル同様に独学で始めたオリジナルチョコも、いまではお目当てのお客さんが多い人気メニュー。「チョコとカクテルは考え方が似ているんです」と竹村さんは楽しそうに教えてくれました。チョコにどんな素材をどう組み合わせるか、カクテルのシェイカーに入れる材料を選ぶように、季節やその日の気分によって変えていく。そうやっておいしさや見た目を追求していった結果、いまでは100種類以上のレシピがあるそうです。取材の日に並んでいた、黄色い花型のブルーチーズのチョコは、チーズの濃厚さがチョコの甘さと絶妙にマッチしていて、まさしくお酒に合う、バーならではのチョコでした。
すべてのキモとなる丁寧なテンパリング。チョコ、カクテルの生チョコペーストをここからつくり上げていきます。
チョコはテイクアウトも。バレンタインの時期は特別なハート型のチョコも登場。毎年人気なので電話予約が確実。
丁寧なテンパリングとなめらかなガナッシュで、チョコが格別においしいだけではなく、いろんな味わいと見た目で行くたびに違う楽しませかたをしてくれる。定番人気のチョコ以外は、2週間ごとにラインナップが入れ替わります。もう一度食べたい味に出合えたときは、ぜひバーテンダーの竹村さんに伝えてみてください。またつくってみたいレシピのひとつに入れてくれるかも。
照明を落としたバーの店内で、さまざまな味わいのチョコと、甘くて少しビターなチョコレートカクテル。日常と非日常のあわいのような感覚になるこのお店で、今日だけ、熊本の大人たちの仲間入り。
熊本県産のフルーツカクテルもチョコによく合います。冬はデコポンといちご、春の桃と春スイカも楽しみ。
生チョコペーストの味がもっとも感じられる、すっきりとしたアイスチョコレートカクテル(上)と、ホワイトラムとホワイト生チョコをベースにしたホワイトチョコレートカクテル(下)。
お通しのスイーツプレートは日によって変わります。この日はチョコレートとカシスのムース、フィナンシェ、葉っぱ細工のクッキー。すべて手づくりで、感動するクオリティです。