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熊本名物「馬肉」 4つの楽しみかた③ 輝く黄金色の出汁で「馬しゃぶ」三昧しませんか?

2024/03/19

熊本名物「馬肉」 4つの楽しみかた③ 輝く黄金色の出汁で「馬しゃぶ」三昧しませんか?

Photo/
Mori Kenichi
Text/
Chase Sutherland,Taninaka Takashi

「しゃぶしゃぶ」桜庵

熊本市の中心街には、
馬肉を〝しゃぶしゃぶ〟で提供する
名店「桜庵」があります。
名物「馬しゃぶコース」を余すところなく
楽しみつつ、そのおいしさと人気の秘密をオーナーの
福嶋昭一さんに聞きました。
(左)福嶋昭一(ふくしま・しょういち)さん、(右)奥様の正美(まさみ)さん

おいしさの秘密は
「青唐辛子(ハラペーニョ)」。

 「基本は白出汁です。そこにハラペーニョという青唐辛子を入れています」オーナーの福嶋昭一さんが、出汁に隠された“おいしさ”の秘密をそう教えてくれました。提供する部位はアバラ周りの肉とのこと。「ここがいちばん脂ののりかたのバランスがよく、脂の甘味と赤身のうまみがピリ辛の出汁と合うんです」
 仕入れにもこだわる福嶋さん。毎日最高の料理を出すため、9時には仕入れに行き、仕込みを行い、18時に開店。寝るのは深夜の3時。そんな生活を、30年間続けているそうです。「和食をやればやるほど、食材が大事なことがわかります。妥協ができないので、自分で見て確かめて仕入れます。余った分を翌日に回すこともしないので、現在は馬しゃぶコースのみにメニューを絞り、前日までの予約制にしています」
 さらに、桜庵で出される野菜と米は自家栽培だそうです。「旬であることを大事にしているので、自分の畑や田んぼのものだと時季を外さず出せるからです」と語ってくれました。
 なぜここまで手間ひまをかけるのでしょうか。「小学生の頃から料理が好きでした。食べてくれた人の“おいしい”という笑顔がうれしかったからなんです」。これまでも、これからも、桜庵では訪れる人々の笑顔のために、手間を惜しみません。愛情と栄養たっぷりの馬肉しゃぶしゃぶ。おすすめです。

(左)福嶋昭一(ふくしま・しょういち)さん、(右)奥様の正美(まさみ)さん

(左)福嶋昭一(ふくしま・しょういち)さん、(右)奥様の正美(まさみ)さん。1990年、昭一さんが23歳のときに開業。

馬しゃぶ

濃厚な脂が口のなかでとけ、出汁の香ばしい香りと少しの辛味、とけ出した野菜の甘みが馬肉のうまみを引き立てます。

旬の魚のお造り

天草から直送された旬の魚のお造り。店内の生簀(いけす)で常に鮮度を保っています。

レンコン饅頭

蓮根の風味と、ほんのり辛子を感じるもちもち食感の桜庵名物「レンコン饅頭」。

秋鰆(あきさわら)

脂ののった秋鰆(あきさわら)。ジューシーな脂と柔らかな身がよいコントラストを生んでいます。

『ミシュランガイド 熊本・大分 2018特別号』に掲載されて以来、
県外からのリピーターも多数。
早めのご予約がおすすめです!

column

馬肉の
国内生産量
No.1は熊本県。

 農林水産省の畜産物流通調査によると、年間の馬肉の国内総生産量は、1995年の8390.5tがピークでした。以降、後継者不足や需要減少が続き、2016年には3670.2tとピーク時の半分以下となりました。しかし、近年馬肉の人気が高まったことで、22年には国内総生産量が4873.5tにまで回復。そのうち熊本県の生産量は、2134.3tと全体の約44%に及びます。なお、農林水産省が県別に馬肉生産量を調査し始めた03年から22年に至るまで、毎年熊本県が県別生産量1位です。

2022年度馬肉生産量に占める都道府県別の割合(%)

店舗情報

桜庵

●所在地/〒860‐0802 熊本市中央区中央街2‐1

●営業時間/18:00~22:30

●定休日/不定休

●席数/カウンター6席、個室4室(2名様〜)

●電話番号/096-351-4992

※完全予約制です。前日までにご予約ください。

「pomodoro」(ポモドーロ)とは……「pomodoro」(ポモドーロ)とは……

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 pomodoroは、トマトを意味するイタリア語。
 「トマトを始め、イタリア料理の食材と、熊本で採れる食材は共通するものが多い」と語るローマ出身者を始め、外国人スタッフ3名を擁する編集部が取材・執筆・編集しています。

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