「しゃぶしゃぶ」桜庵
熊本市の中心街には、
馬肉を〝しゃぶしゃぶ〟で提供する
名店「桜庵」があります。
名物「馬しゃぶコース」を余すところなく
楽しみつつ、そのおいしさと人気の秘密をオーナーの
福嶋昭一さんに聞きました。
おいしさの秘密は
「青唐辛子(ハラペーニョ)」。
「基本は白出汁です。そこにハラペーニョという青唐辛子を入れています」オーナーの福嶋昭一さんが、出汁に隠された“おいしさ”の秘密をそう教えてくれました。提供する部位はアバラ周りの肉とのこと。「ここがいちばん脂ののりかたのバランスがよく、脂の甘味と赤身のうまみがピリ辛の出汁と合うんです」
仕入れにもこだわる福嶋さん。毎日最高の料理を出すため、9時には仕入れに行き、仕込みを行い、18時に開店。寝るのは深夜の3時。そんな生活を、30年間続けているそうです。「和食をやればやるほど、食材が大事なことがわかります。妥協ができないので、自分で見て確かめて仕入れます。余った分を翌日に回すこともしないので、現在は馬しゃぶコースのみにメニューを絞り、前日までの予約制にしています」
さらに、桜庵で出される野菜と米は自家栽培だそうです。「旬であることを大事にしているので、自分の畑や田んぼのものだと時季を外さず出せるからです」と語ってくれました。
なぜここまで手間ひまをかけるのでしょうか。「小学生の頃から料理が好きでした。食べてくれた人の“おいしい”という笑顔がうれしかったからなんです」。これまでも、これからも、桜庵では訪れる人々の笑顔のために、手間を惜しみません。愛情と栄養たっぷりの馬肉しゃぶしゃぶ。おすすめです。
(左)福嶋昭一(ふくしま・しょういち)さん、(右)奥様の正美(まさみ)さん。1990年、昭一さんが23歳のときに開業。
濃厚な脂が口のなかでとけ、出汁の香ばしい香りと少しの辛味、とけ出した野菜の甘みが馬肉のうまみを引き立てます。
天草から直送された旬の魚のお造り。店内の生簀(いけす)で常に鮮度を保っています。
蓮根の風味と、ほんのり辛子を感じるもちもち食感の桜庵名物「レンコン饅頭」。
脂ののった秋鰆(あきさわら)。ジューシーな脂と柔らかな身がよいコントラストを生んでいます。
『ミシュランガイド 熊本・大分 2018特別号』に掲載されて以来、
県外からのリピーターも多数。
早めのご予約がおすすめです!