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とれたての海鮮たっぷり。熊本最大の魚市場で朝ごはん。いろは食堂

2026/06/11

とれたての海鮮たっぷり。熊本最大の魚市場で朝ごはん。いろは食堂

Photo/
Yamagashira Noriyuki
Text/
Nakazawa Hanzo

熊本駅から車で5分ほど。
せりで早朝からにぎわう、田崎市場(熊本地方卸売市場)があります。
ここは県内に流通する海産物の6割以上を扱う、まさに熊本の台所。
市場のなかにある、“魚のプロ”も通う食堂はおいしく、一般客も利用できると聞き、行ってきました。

いろは食堂店主 杉本順子さん

市場で扱われるマグロは、キハダマグロや、大型で上あごの長いカジキが中心。

熊本駅からほど近い、
熊本の台所へ。

 午前5時30分。田崎市場で海産物のせりがはじまりました。威勢のよい声が飛び交う場内に、所狭しと並べられた魚介類は、天草をはじめ熊本県内の漁港や、長崎、宮崎、島根などの近県で獲られたもの。小売業者や、小売業者に魚を卸す仲卸が品質を確認するその目は、真剣そのものです。
 広大な田崎市場のせりは、10か所でいっせいにスタートします。せり人が産地やサイズを告げると、参加者は木札を挙げ、次々と競り落としていきます。
 市場を運営する、株式会社熊本地方卸売市場の國徳健二さんによると、ここの取扱量は県内全体の約63%を、販売額では約87%(2023年度)を占めるそう。県内最大の市場の熱気が、肌で感じられます。

海産部のせり
海産部のせり
海産部のせり
「田崎市場でもっとも多く取り引きされる海産物は、タイ。アジやブリがそれに続きます」
「田崎市場でもっとも多く取り引きされる海産物は、タイ。アジやブリがそれに続きます」

「田崎市場でもっとも多く取り引きされる海産物は、タイ。アジやブリがそれに続きます」と國徳さん。

「田崎市場でもっとも多く取り引きされる海産物は、タイ。アジやブリがそれに続きます」
「田崎市場でもっとも多く取り引きされる海産物は、タイ。アジやブリがそれに続きます」

プロの仕事を支える
朝ごはんとは──。

 「早い人は、深夜1時30分ぐらいから仕事をしています。水産のせりが5時30分から、青果が6時30分からなので、市場で働く人はせりの前後に朝ごはんを食べることが多いです」(國徳さん)
 魚のプロたちが、慌ただしさの合間をぬって訪れるのは、場内にある数軒の食堂。仕入れたての海鮮を食べられるという、「いろは食堂」ののれんを編集部員はくぐりました。
 6時から8時までは、カレーライスや魚のフライなどの朝定食を提供。開店するとすぐに市場で働く人たちで満席になるそうです。10時30分からは、目利きの仲卸がその日に選んだ新鮮な魚介の料理。名物は、マグロをはじめ8種類の海の幸をのせた海鮮丼。エビ一尾が丸ごとのり、量も見た目のインパクトも大です。
 店内の黒板には、日替わりメニューが書かれています。その日の仕入れによって決まるので、何があるかは行ってのお楽しみ。なかでも人気なのが、海鮮ちらしずし。色鮮やかで、目にも楽しい一品です。

海鮮ちらしずし

海鮮ちらしずし

1,500円(税込)
日替わりメニューにあれば注文したい、人気の一品。

 焼き魚と煮魚から選べるメインに、刺身や小鉢がついたいろは定食も、よく注文が入るメニューです。魚は日替わり。この日はタイの煮付け。煮汁はしっかりした味で、ごはんが進みます。「市場の人たちはよく体を動かすので、濃いめがいいと思って」と語るのは、いろは食堂を切り盛りする杉本順子さん。もともと杉本さんは市場内の別の食堂で働いていましたが、旧知の仲卸からの勧めもあり、独立して2020年、「いろは食堂」をオープンしました。市場で働く多くの人に愛されるお店のひとつです。
 熊本の街中にある、県内最大の市場。ここでは、観光客も食事が可能です。非日常の食体験を、あなたもぜひ。

いろは定食

いろは定食

1,800円(税込)
煮魚か焼き魚のメインに、刺身もつくのがうれしい。

いろは食堂店主 杉本順子さん

いろは食堂店主
杉本順子さん

店名は、わかりやすく、おぼえやすい名前を、と決めたそう。

せりを終えた市場関係者が次々と訪れる「いろは食堂」
せりを終えた市場関係者が次々と訪れる「いろは食堂」

せりを終えた市場関係者が次々と訪れる「いろは食堂」。毎日のように通う人もいるので、日替わりでメニューを複数用意しています。量もたっぷり。

column

県内
最大市場の
いま、むかし。

 熊本市新町にあった魚市場が1963年に、田崎町で営業していた青果市場が64年に現在の場所に移転。東京ドーム約3・7個分(17万5345㎡)の敷地を誇る巨大市場になりました。市場の発表によると、2023年度の海産物の取扱量は、2万7103トン。しかし、1998年度の約8万トンをピークに減少傾向です。「偏西風の蛇行が異常気象をもたらし、漁獲に影響を与えているのでは」と熊本地方卸売市場の國徳さんは言います。
 また、職員の高齢化が進んでいます。青果部のせりの開始を業者が参加しやすい時間に変えるなど、若い人が働きやすい環境づくりに取り組んでいます。環境や時代に合わせ、食料を安定して消費者に届けるために、市場も変化しています。

 
1963年、田崎市場の初せり。
1963年、田崎市場の初せり。
(田崎市場開場50周年記念誌より転載)

店舗情報

いろは食堂

いろは食堂
いろは食堂

●所在地/〒860-0058

熊本県熊本市西区田崎町484-11-7

●営業時間/6:00-8:00、10:30-14:00

※海鮮丼・お刺身等の提供は10:30から

●定休日/日曜日・祝日

●電話番号/096-359-1680

●Instagram/@iroha_shokudou

「pomodoro」(ポモドーロ)とは……「pomodoro」(ポモドーロ)とは……

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 pomodoroは、トマトを意味するイタリア語。
 イタリア料理の食材と、熊本で採れる食材は共通点が多いことから名付けました。

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